このページは、中学校理科の『単元別の進め方』です。


生物学
単元2 人体・動物、生態系

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 はじめに ―ちょっと重い話―
 過去の記録(
2000年2003年)を見直すと、2年生で学習する動物分野では、多くの時間が人体に割かれていました。そして、本題であるはずのヒト以外の動物については、草食動物と肉食動物の違いやほ乳類の分類(学習指導要領2002-05現在)など、小学校で学習可能な範囲にとどまっています。私はtakaカリキュラムを編成にするに当たり、ほ乳類(ヒト)やセキツイ動物より、無セキツイ動物の頂点である節足動物や軟体動物に焦点を当てるべきだと主張します。そうすることで動物界全体を見渡すことが可能になり、単元1植物学入門と呼応しながら、生命の連続性、つまり、DNAに足を踏み込むことができると思うからです。しかし、残念ながら2000年を前後する6年間の記録では編集できません。机上のカリキュラムをつくることは簡単ですが、それは生徒の声を大切にしたいという私のテーマから外れるからです。結果として、この単元はわずかな系統性をもった人体・動物について学習した後、生物全体(動・植物)を統合するものとして生態系を加えて終了としています。

 なお、本単元の配置は2年をお勧めしますが、内容は1年生で十分理解できます。それにも関わらず2年生したのは、植物学入門の方が1年に相応しいと判断したからです。単元名を見れば分かるように、植物分野は学問として呼べるだけの系統性を持たせることができたので、小学校から中学校に変わったばかりの生徒の期待に応えられると判断したからです。

 ―軽いけれど大切な話(中学2年生の夏)
 2年生物学分野は、多くの学校で夏に学習しています。中学2年生の盛夏、体育で燃えたあと(運動場でもプールでも)、クーラーがない教室で、しかも午後、ランチを食べたあと・・・これらの条件が重なったら授業どころではありません。生徒も先生も汗をだらだら流し、暑さと睡魔との戦いです。50分の持久戦です。さて、ここで先生と生徒諸君に夏を乗り切る大切なポイントを紹介しておきます。熱血先生は自分の計画を敢行しようとして頭を沸騰させたり定期テストに難問を出題しないようにして下さい。一方、まじめな生徒諸君はいい加減な先生によって授業が飛ばさることないように、ユニークな鋭い質問で先生を攻撃して下さい。それでは、1度しなかない夏をエンジョイ!

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授業の展開例
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26時間完了

第1章
人 体

第2章
動 物

第3章
生態系
感覚器官(4)
神経と骨格(3)
消化と吸収(3)
循環器系(2)
2つの呼吸(2)
合計 14時間
いろいろな動物(2)
セキツイ動物の分類(2)
無セキツイ脊椎動物(3)
動物の分類(1)
6

合計 8時間
食物連鎖(3)
自然界の物質循環(1)
6
6
6

合計 4時間

図1 人体・動物、生態系の構成

 第1章人体については、各部の構造やはたらきを詳しく学習しても中等教育に適さないと思う。まるでクイズ番組の解説ように新しい知識をおもしろおかしく増やしていくだけのように感じる。そのため、いくつかの実践は大きく畳んだ。ただし、私の個人的嗜好から、第1節感覚器官は時間を十分に確保しました。

 生徒にとっては暗記することが多い。

第1章 人 体
第1節 感覚器官

第1時  2年(2003年)
 目はとても魅力的な存在です。どうして、そんなに私達を惹き付けるのか、スケッチをしたり、いくつかの簡単な実験をしながらヒトの目のしくみと働きに迫ります。私達の興味関心を癒すために用意された時間は50分です。2年生物分野の導入でもあるので、しっかり楽しんで下さい。
<授業内容>
1 いろいろな動物の目の数
2 ヒトの目のスケッチ
3 目のつくりとはたらき
4 実験:大きくなる瞳
5 実験:盲 点
6 実験:利き目を調べる
<準備> 小さな鏡
<参考> 実験8凸レンズの見え方(実像)
1年物理(2002年)

第2時  2年(2003年)
 1時間かけてゆっくり学習します。バランス感覚を調べる実験は、もっと面白い方法が工夫できると思う。また、物理的な振動(音)が、うずまき管で電気信号に変換され脳に伝達されるたり、同様にして、平衡感覚に関する刺激が伝達されることをイメージできる
<授業内容>
1 耳を動かす
2 耳のスケッチ
3 各部の説明(
鼓膜→ 耳小骨→ うずまき管 →聴神経→ 大脳)(前庭と半規管)(外耳・中耳・内耳)
4 実験:片足で何秒立っていられるか(前庭のはたらき)

第3時 皮 膚2年(2003年)
 体の表面は皮膚でおおわれていますが、全て同じではありません。今日は皮膚の基本的なしくみを調べた後に、簡単な実験を2つ行います。特に、2点弁別テストは演示方法によって大変盛り上がります。
<授業内容>
1 人の皮膚のスケッチ
2 皮膚の感覚点(痛点、圧点、冷点、温点)
3 実験:痛点の間隔を調べる
4 実験:2点弁別テスト
<準備> つまようじ、定規

第4時 鼻・舌2年(2003年)
 今日で5つの感覚器官を終了します。なお、本実践では押さえが甘いのですが、感覚細胞が受けた
刺激が電気信号に変わり、その電気信号が大脳へ送られ、大脳が電気信号を計算することで、それが何であるか認識されることを明確にして下さい。5感、すべてに当てはまります。これができれば、スムーズに第2節に入れます。
<授業内容>
1 鼻のスケッチ
2 舌のスケッチ
3 舌の4つの味覚(甘味、酸味、苦味、辛味)
<他の年度の実践例>
骨格と筋肉、感覚器
2年(2000年)

第1章 第2節 神経と骨格

第5時 2年(2003年)
 もっと面白い授業実践があると思うが、新しく学ぶ内容が多いので、本実践のような通常の形式でも悪くないと思う。また、先生も分からない質問が出たら、分からないと正直に告白し、自由研究課題として調べさせ、廊下に掲示・発表させるのも一案だ。(意欲向上、評価の手間も省けて一石三鳥)
<授業内容>
1 大脳について
2 大脳皮質の感覚野(
第1節感覚器官との関連を大切に!
3 右脳と左脳
4 中枢神経

第6時 神 経2年(2003年)
 落ちてきた定規をキャッチして、その反応速度を調べた。これは『反射神経』を調べるのではなく、もう少しだけ正確に言うと『感覚神経と反射神経を伝わる時間』を調べる実験である。この実験は筋肉を動かすので、次の授業骨格と筋肉へつながる。
<授業内容>
1 2つの神経(中枢神経と末梢神経)
2 2つの運動(随意運動と反射)
3 実験:反応時間を調べる
<準備> 30〜50cm定規
<他の年度の実践例>
神経と反射
2年(2000年)

第7時 骨格と筋肉2年(2003年)
人間の指の骨は20本です。では、人の身体には何本の骨がありるでしょうか。答えは、全部合わせて206本です。
<授業内容>
1 骨格のスケッチ
2 骨格について
3 筋肉のスケッチ
4 筋肉について
付録: 関節
<他の年度の実践例>
骨格と筋肉、感覚器
2年(2000年)

第1章 第3節 消化と吸収

第8時 だ液の働き2年(2003年)
 本時は、消化吸収の学習にとって最も重要な実験の1つでしょう。消化酵素による食物の分解は暗記するものが多いので、だ液とデンプン・ブドウ糖の関係だけは印象的に記憶させたいです。さて、右の写真はヨウ素液とベネジクト液を使った実験結果ですが、ほどんどの生徒がこのように美しい実験結果を得ることができます。ただし、50分の授業ではまったく余裕がありません。もし、わずかな放課の時間や、補欠授業の時間をいただけるなら10分でも有効に使えます。また、選択理科の授業や本時の応用として余分に1時間確保する方法もあります。
<準備> 実践記録を御覧下さい
<他の年度の実践例>
実験1 だ液のはたらき
2年(2000年)

第9時 前半消化器官2年(2003年)後半食物と消化酵素2年(2003年)
 第9時から第10時まで(消化と吸収)の実践は混乱していたので、次に提案する授業の流れにしたがって展開して下さい。本時は暗記事項をまとめて覚えます。前半は消化管消化器官、後半は食物です。
<授業の流れ>
1 消化管
(口、食道、胃、小腸、大腸、肛門)
2 消化器官(口、だ液腺、胃、胃腺、小腸、肝臓、膵臓)
3 消化器官のはたらき
4 5大栄養素
(炭水化物、タンパク質、脂肪)
 なぜ食べるのか?/ 食物が体に入るとどうなるか?
※ 5の「なぜ食べるのか?食物が体に入るとどうなるか?」を考えるヒントは、1年の実験
実験1いろいろなものを熱する実験2有機物を熱するですが、学習しなくても構いませ。

第10時 吸 収2年(2003年)
 消化された物質が小腸から吸収されること、吸収された物質は血液に溶けて体全体に運ばれること、栄養の一部は肝臓に貯蔵されることを学習します。また、授業の最後には
市販の練習問題プリントなどを有効に活用しながら、消化器官・消化酵素・3大栄養素・消化後の物質の4点を整理整頓して下さい。
<授業内容>
1 小腸内部(柔毛)の構造
2 柔毛内部の構造(毛細血管、リンパ管)
3 肝臓の貯蔵庫としてのはたらき
4 消化吸収に関する小テスト

<他の年度の実践例>
消化酵素のまとめ2年(2003年)
半透膜と消化酵素2年(2000年)
有機物はどうなるか2年(2000年)
 

第1章 第4節 循環器系

第11時 前半血液成分2年(2000年)後半肝臓と腎臓2年(2000年)
 第12時から第14時まで(循環器系)は、
2000年度の実践が良かったと思います。ただし、本時はここに提案された授業の流れのように順序を入れ替え、血液について学習した後、腎臓と肝臓(アンモニアを尿にするはたらきに限定)について学習することをお勧めします。内容的にも時間的にもできるはずですが、学校行事や暑い季節と重なる場合は、状況に合わせてのばして下さい。
<授業の流れ>
前半1 血液の成分
後半2 腎臓のはたらき(尿をつくる)
後半3 肝臓のはたらき(尿素を作る)
<他の年度の実践例>
腎臓と肝臓2年(2003年)


第12時 心 臓2年(2000年)
 見たことはないけれど、馴染みの深い臓器です。大きさは、軽く握ったこぶしぐらいです。牛や豚の心臓なら食べたことがあるかも知れません。さて、構造を調べる上でのポイントは、全身に血液を送りだす左心室と大動脈です。他の部分は、これらを起点にして順序よく覚えられます。授業では左心室、左心室、とくり返し口ずさんで下さい。左心室から血液がどくん、どくん。

<授業内容>
1 心拍数を測定する
2 心臓の位置、1番強く動いている部分
3 心臓のスケッチ
4 心臓のつくり(4つの部屋と4つの血管)
5 体循環と肺循環

<他の年度の実践例>
心臓と2つの循環2年(2003年)
血管と血液2年(2003年)

第1章 第5節 2つの呼吸

第13時 肺と2つの呼吸2年(2003年)
 
呼吸とは何でしょう?一般には酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すこと(外呼吸)です。ではし、もう1歩踏み込み、何のために酸素を取り入れているのでしょう。この答は、私の考えでは最も重要な生物学のテーマの1つです。
<準備> 、横隔膜演示実験装置、胸部レントゲン写真
<授業の流れ>
1 演示実験:横隔膜と肺の動き(腹式呼吸)
2 自分の身体の心臓、肺、横隔膜を確かめる
3 肺胞と毛細血管
4 2つの呼吸(内呼吸と外呼吸)
5 実験:息を何秒止められるか?
6 内呼吸をまとめる
酸素+ ブドウ糖→ 二酸化炭素+ 水+ エネルギー
<他の年度の実践例>
外呼吸と内呼吸2年(2000年)

第14時 内呼吸と人体の復習
 今日で人体の学習は終了です。これまでの復習ですが、循環器、消化器、呼吸器については内呼吸を軸にすると良いと思います。代謝、という視点から人体を総合的に見直すことができます。感覚器、運動器については、次の第2章に移るためのきっかけとして下さい。地球上にはヒトとはまったく異なる形態をもった動物が多様な生活をしています。なお、生殖器については、家庭科および保健科で詳細に学習しています。
<他の年度の実践例>
解剖図2年(2000年)

第2章 動 物
第1節 いろいろな動物

第15時 いろいろな動物2年(2003年)
 この実践では、生徒の自宅からペットを持参させることにした。世話をしなくてもよい動物に限定したところ、ほ乳類以外の動物が見られたので大成功だった思う。なぜなら、生徒に「動物の例を挙げて下さい」と発問すると、90%以上がほ乳類を答えるからです。
<準備> 生徒が持参したペット
<授業の流れ>
1 生徒が持参したペットの紹介
2 動物の観察記録
3 いろいろな動物とその分類

<他の年度の実践例>
観察1 アフリカツメガエル2年(2000年)
観察2 カイコガ2年(2000年)

第16時 草食動物と肉食動物2年(2003年)
 
さまざまな種類の動物をいくつかの観点に絞って観察したつもりでも、興味関心を高める延長戦上にしかならない。本時のように食べ物に焦点を当てても単純な比較の域をでないので、次節からの学習、つまり動物界全体を見渡す視点にたった学習と結びつくようにする必要があるでしょう。
<準備> コブラとマングースなど動物のはく製
<授業の流れ>
1 コブラとマングース、タカの紹介
2 チーターとシマウマの歯(犬歯と臼歯
 比較:ヒトの歯
3 草食動物と肉食動物の違い(目の位置・耳や脚のつくり
4 各部のスケッチ

<他の年度の実践例>
草食動物と肉食動物2年(2000年)

第2章 第2節 セキツイ動物の分類

第17、18時 セキツイ動物のなかま2年(2003年)
 生徒の感想を聞くと、覚えることがたくさんあって大変だったらしい。私自身は何回も指導しているので、、、。さて、ここで大切なことは、表2のように階段状して分類することです。
灰色部分は教えなくても良いと思いますが、それ他は順序よく指導して下さい。なお、本時の分類基準はDNAではなく、形態や生活のようすです。第時では、
<授業内容>
1 セキツイ動物と無セキツイ動物
2 5つのセキツイ動物
(魚類、両生類、は虫類、鳥類、ほ乳類)
3 分類基準
(表2参照)

表2 セキツイ動物の分類

分類基準 魚 類 両生類 は虫類 鳥 類 ほ乳類
産むもの 卵(卵生 子(胎生

育て方

放 置

体外で暖める

子宮内で育てる

体腔のしきり

な し

斜横膜(不完全)

横隔膜(胸腔・腹腔)
体 温 変 温 恒 温

心臓のつくり

1心房1心室

2心房1心室

2心房2心室
受精場所 体 外 体外(抱接) 体 内
呼 吸 (子)
肺と皮膚
(大人)
生活場所 水 中 水中と陸上 陸 上 陸 上
(空中)
陸 上
産む数 多い    ←   (中間)   →   少ない
卵の殻 な し なし(寒天状のものに包まれている) 柔らかい 硬 い な し
体の表面 うろこ、粘液 粘液のみ 硬いウロコや甲羅 羽毛と脚のウロコ
メダカ、マンボウ カエル、イモリ ヤモリ、亀、蛇 ペンギン、雀、鳩 コウモリ、クジラ

共通する点
1セキツイがある、2頭、胴、尾に分けられる、3心臓と血液がある

備 考
1 一般にセキツイ動物は、魚類の下に円口類を入れて6つの綱に分類する。
2 表1に、化石動物(恐竜、始祖鳥)や絶滅した動物は入っていない。

<他の年度の実践例>
セキツイ動物と無セキツイ動物
2年(2000年)
動・植物の類縁関係3年(2001年)

第2章 第3節 無セキツイ動物

第19時 節足動物の観察
 今日から2時間無セキツイ動物について学習します。無セキツイ動物は、たくさんの仲間に分類できますが、ここではもっとも高度に進化した節足動物軟体動物について調べます。本時は下の<授業の流れ>にしたがって進めて下さい。
<準 備> 生徒が持参した、あるいは、校庭から採取した節足動物
<実践例> 
昆虫の観察2年(2000年)
<授業の流れ>

1 節足動物の仲間
(昆虫類、クモ類、多足類、甲殻類)
2 節足動物の特徴
3 昆虫類
(脚3対、羽2対、触覚2本など)、クモ類、多足類、甲殻類の特徴
4 節足動物のスケッチ
<他の年度の実践例> 無セキツイ動物
2年(2003年)

第20時 軟体動物の観察2年(2000年)
 前時に引き続き、無セキツイ動物について調べます。軟体動物は節足動物と同じように高度に発達した動物ですが、私達の体とことなる部分が多いので、ゆっくりと親しみが持てるように指導して下さい。
<授業内容>
1 軟体動物の分類(頭足類、腹足類、おの足類)
2 軟体動物のスケッチ
3 イカの解剖のための準備

第21時 イカの解剖(消化器官)2年(2000年)
 非常に楽しい解剖・観察です。解剖実習を計画しているならイカしかない、と断言できます。イカは軟体動物の中でも高度に進化した動物なので、内臓
(消化器官、呼吸器官、循環器官、生殖器官、および、胃袋の内容物)だけを取り上げても、たくさんの見どころがあります。同じ大きさのセキツイ動物を準備しようとすると、とても大変です。また、観察後のイカ焼きの美味しさは言うまでもありません。
<準備> イカ(生徒)、アルミホイル、ガスバーナー、金網、
<授業の流れ>
1 観察ポイント確認
2 解剖の手順
3 イカの解剖
4 イカ焼き
5 後片づけ

第2章 第4節 動物の分類

第22時 生物の分類2年(2000年)
 本時のタイトルは生物の分類ですが、表3には動物の分類を示しました。また、別ページに生物の分類を用意しましたので参考にして下さい。下の授業の流れにしたがって展開することをお勧めします。
<授業の流れ>
1 動物の分類(表3)
2 生物の分類(
生物の分類

表3 動物の分類

動 物
無セキツイ動物

節足動物
1 昆虫類
2 クモ類
3 多足類
4 甲殻類
5 
その他の節足動物(カブトガニなど)

軟体動物
1 頭足類(イカ、タコ)
2 腹足類 (カタツムリ、ナメクジ)
3 おの足類(二枚貝の仲間)
4 
その他の軟体動物(ヒザラガイなど)
その他の無セキツイ動物

セキツイ動物
    1ほ乳類・2鳥類・3は虫類・4両生類・5魚類

参考 化石で探る進化、ダ−ウィンの進化論、生物系統樹3年(2001年)
 過去の生物を分類するのは容易ではありません。とくに、外見や形態(相同器官)だけで判断することは大きな誤解を招くことが多いので、最近ではDNAを調べることによって分類することが主流になっています。ですから、本時の授業内容は、化石の意味、および、示準化石と示相化石にとどめるべきかも知れません。

第3章 生態系
第1節 食物連鎖

第23時 食物連鎖3年(2004年)
 
生物どうしの食う食われるという関係を食物連鎖といいます。授業の後半は、生態バランスの話へ持ち込んでも、あるいは、次時の分解者まで話を進めても学習量としては問題ないだろう。
<ねらい>
<授業内容>
1 昨日の朝から今日の朝までに食べた生物
2 食物連鎖(生産者と消費者(草食、肉食動物))
3 生物ピラミッド
4 生態系の数のバランス
 A ニューファウンドランドで絶滅した狼の話
 B アメリカシロヒトリの一生
 C 家族計画「あなたは何人子供が欲しいですか?」

<他の年度の実践例>
食物連鎖3年(2001年)

第24時 前半分解者3年(2004年)後半かび(菌類)の観察3年(2001年)
 有機物を無機物にする菌類と細菌類を分解者といいます。しかし、これまでの学習で菌類と細菌類の分類方法を学習していないので、ここでは分解者を次のように扱います。土の中で生活し有機物を無機物にする生物を分解者とする。具体的にはミミズ、カビ、細菌類などです。以上を授業の前半とし、後半は生徒に持参させたカビを観察させて下さい。
<準備> カビ(生徒)、双眼実体顕微鏡、光源装置、ルーペ、ピンセット、白い紙、高倍率実物投影装置(200倍)
<授業内容>
1 分解者とは

2 有機物が無機物になるまで
3 有機物と無機物の復習
4 観察:かび(菌類)
<他の年度の実践例>菌類や細菌類による水の浄化、生物濃縮
3年(2004年)

第25時 観察9 土の中の生物3年(2001年)
 前時に十分観察できなかったカビや新しく持参した土の中の生物(分解者)を観察させて下さい。第24時と本時を合わせて、分解者が存在していること、それらが地球の物質循環において重要なはたらきをしていることが分かれば十分です。これは第26時につながります。
<授業内容>
・土の中には多様な生物が生活している
・それらは落ち葉や死骸などを食べている
・最終的に有機物を無機物に分解する生物を分解者という
<準備> 同上、土の中の生物(生徒、教師)

オプション 実験1 土の中の生物の呼吸3年(2001年)
 とても簡単な実験によって、土の中の生物の呼吸を確かめます。動物や植物だけでなく、目に見えない小さな生物も同じように呼吸(代謝)して生活していることを確かめます。なお、この実験は準備してから24時間放置する必要があるので、第25時の最後に準備させても良いでしょう。
<準備> ブドウ糖水、ビニール袋2枚、ガラス管、輪ゴム、セロテープ、三脚、金網、ガスバーナー、石灰水
<24時間後の実験>
実験1・2 土の中の生物の呼吸3年(2001年)

第3章 第2節 自然界の物質循環

第26時 自然界の物質循環3年(2001年)
 地球における物質循環を炭素(C)、酸素(O)、窒素(N)に着目して調べます。具体的な物質は酸素、二酸化炭素、水です。これらは、これまでくり返し学習してきた光合成と内呼吸の復習なので、難しくないと思います。
<授業内容>
1 光合成の復習
2 食物連鎖
3 有機物を無機物
4 空中窒素固定細菌
以上です!!

note
人体を医学として学習しないなら、次のように手分けする
※ スポーツ(体育)科で、
骨格、筋肉の機能・構造
※ 保健科で、成長、
簡単な医療
※ 家庭科で、出産・保育(
生殖器、子ども育て方)と栄養学
※ 
理科で、感覚器、消化器、循環器、呼吸器、脳・神経
※ 心理学科(中等教育に新設する)で
発達心理

生態学→ (地学分野)地球の歴史・環境、地球の未来を語るのは科学から外れる?
机上の試案を別紙にまとめておくので関係者の方に御覧いただければ幸いです。

動物とは何か?
・ 植物、菌、原生生物、モネラ(細菌)界とならぶ生物分類上の最高階級の一群
・ 海綿動物からセキツイ動物・節足動物・軟体動物まで
・ 葉緑体を持たない
・ 細胞壁がない
・ 真核細胞
・ 多細胞生物
・ 有機物を主な栄養素とする
・ 消化、運動、排せつ、感覚、循環器官などをもつものもある
・ 動物の各器官は、動物性器官(運動、感覚器官)と植物性器官(循環、消化、呼吸、生殖器官)に分類することもある

学問としての対象
・ 分類、形態、発生、生理、生態、遺伝、進化、動物行動学、

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