このページは、Mr.Taka による中学校理科の授業記録 物理学 です。 |
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はじめに
私は物理が苦手で、少しずつ生徒と一緒に学んできました。その中で、「自然界には物理法則があること」「解明する過程に喜びがあること」「人類は永遠に自然を解明できないこと」に気づきました。私の発見と体験は「数式」と「抽象的イメージ」を含むので、生徒に伝えることは簡単ではありません。しかし、指導方法を試行錯誤するうちに、単位や単位の接頭語に焦点を当てれば良いことに気づきました。数式ではなく、単位に着目させるのです。ただし、国際単位系(SI)にこだわると理科嫌いを生みます。力は「g重」、熱は「カロリー」を使うべきです。自然に則した単位系を選び、物理学が歩んできた輝かしい発見の歴史を学び、発見の歓びを追体験させることが大切です。また、中学校では古典的な法則、厳しい表現をすれば「誤り」を教える必要があります。そうした場合、専門家から批判させることになりますが、生きている子どもを理解している先生は熱い情熱と信念で指導してください。教育の専門家、プロとして子どもを守り育てましょう。私はTaka先生のカリキュラム案を提案しますが、これは1つの方法に過ぎません。子どもと毎日の授業は生きています。目の前の子どもをよく見て、あなた自身がよりよい方法をあみ出してください。
目 次
1 Taka先生のカリキュラム案
中学校現場のためのカリキュラム 2 学年・年度別の授業記録
年間を通して教育現場を前向きに生き抜いてきたナマの記録 3 項目別(毎時間の記録)
必要なものを調べるために配列し直した191時間の記録
(配列はTaka先生のカリキュラム案に準じる)
1 Taka先生のカリキュラム案
自然科学を系統的に学ぶためのカリキュラムです。全項目を4つの単元にわけ、1年は『光と音』と『力のつりあい』、2年は『電流と磁界、熱』、3年は『力と運動』を学習するように提案します。ただし、 子どもの発達段階から以下(1)〜(4)の問題点があります。
(1)空間認識を要する圧力や浮力は、2年で行うべき
(2)高い空間認識を要する電流と磁界は、3年で行うべき
(3)電子は、3年化学『原子構造』学習後に行うべき
(4)単位や速さや力の分解や仕事カロリーは、1年で学習可能
自然科学に則した理想的なカリキュラムは、私の著書『中学理科の 物理学』をご覧ください。
図1 物理分野の単元構成
ただし、単元2〜単元4は執筆中につき、以下の3『項目別(毎日間の記録)』の単元と不整合です。申し訳ありません(2019年5月)。単元1
光・音→
単元2
力のつりあい→ 単元3
電流と磁界、熱
→
単元4
力と運動第1章 光
第2章 凸レンズ
第3章 音
第4章第1章 フックの法則
第2章 圧力、浮力
第4章第1章 電子、静電気
第2章 電圧、電流
第3章 オームの法則
第2章 電力量と熱量
第3章 電流と磁界第1章 単位と速さ
第2章 重力、力の分解
第3章 自由落下運動
第4章 仕 事
第5章 エネルギー
第6章 熱 量
2 学年・年度別の授業記録
この記録は時代や地域を反映しています。各時代の社会常識や私の勤務地の特徴に合わせていることはもちろんですが、学習指導要領(時の政権の意向)に左右されていることがわかると思います。自然科学そのものを純粋に教えることができない現場教師の苦悩とその中での見つけた発見と喜びの記録をお楽しみください。
学 年 年度 単元名
(主な学習内容)3 年 2018年 運動とエネルギー
(単位、速さ、記録タイマー、ニュートン力学、仕事、滑車、エネルギー)
2004年 運動とエネルギー(ニュートンの運動の法則、エネルギーと仕事)
2001年 運動とエネルギー(力の働き、物体の運動、仕事とエネルギー、科学技術の進歩と人間生活)2 年 2017年 電流、磁界
(静電気、電子、キルヒホッフの法則、オームの法則、電力・熱量、電流・磁界・力)
2003年 電流とその利用(電流、電流の利用)
2000年 電 流(電流と電圧、電流の働きと電子の流れ)1 年 2016年 光、音、静力学
(光、音、力、フックの法則、静電気、圧力、浮力)
2012年 光、音、静力学(静力学は3年に配置すべき内容?)
2002年 身近な物理現象(主な内容は光・音・力・圧力)
1999年 身の回りの物理現象(主な内容は光・音・熱・温度・力・圧力)
3 項目別(毎時間の記録)
1999〜2004、2012、2016〜2018年度の授業記録191時間を解体し、学習項目別に配列しました。同じようなタイトルが並んでいますが、上にあるものほど充実しています。
単元1 光 → 凸レンズ、音第1章
光実験1 光の3原色1年(2012年)
実験1 光の三原色1年(2016年)
実験2 光の直進性と反射の法則1年(2012年)
実験2 光の直線性と反射の法則1年(2016年)
実験1 光の反射の法則1年(2002年)
実験2 鏡にうつる像(虚像)1年(2002年)
実験3 光の速さ、音の速さ1年(2002年)
実験3 光の屈折1年(2012年)
実験4 光の屈折1年(2002年)
実験3 光の屈折1年(2016年)
実験5 光の屈折2(全反射)1年(2002年)
実験4 光の直進 → 屈折 → 全反射1年(2012年)
実験4 光の直進→屈折→全反射1年(2016年)
実習6 光の直進、屈折、全反射の作図1年(2012年)
実験6 太陽で虹を作ろう1年(2002年)
第2章
凸レンズ実験7 凸レンズの焦点距離1年(2002年)
実験5 凸レンズの焦点距離1年(2012年)
実験5 凸レンズの焦点距離(new photo)1年(2016年)
実験8 凸レンズの見え方(実像)1年(2002年)
実像を作図する1年(2002年)
実験9 凸レンズの見え方2(虚像)1年(2002年)
実習7 凸レンズがつくる実像と虚像1年(2012年)
実験8 凸レンズがつくる実像と虚像21年(2012年)
実験6 凸レンズがつくる実像と虚像(new photo)1年(2016年)
実験10 凸レンズのまとめ1年(2002年)
補足: 凸レンズの中心を通る光1年(2002年)第3章
音実験11 いろいろな音1年(2002年)
実験9 縦波・横波1年(1999年)
実験12 糸電話、音叉1年(2002年)
実験9 糸電話1年(2012年)
実験10 糸電話1年(1999年)
実験7 糸電話(音導入、new photo)1年(2016年)
実験13 ストーローの笛1年(2002年)
実験10 音の三要素をオシロスコープでみる1年(2012年)
実験9 音の三要素をオシロスコープでみる(new photo)1年(2016年)
実験14 ビーカーで音楽会1年(2002年)
実験8 ビーカーで演奏会1年(1999年)
実験8 ビーカーで演奏会(いろいろなものを叩く)(new photo)1年(2016年)
音のまとめ(音速、ドップラー効果、マッハの壁、タイムマシン)
単元2 力、運動とエネルギー、圧力第1章
いろいろ
な力第1節 いろいろな力
実験4 いろいろな力1年(1999年)
実験15 いろいろな力1年(2002年)
いろいろな力(続き)1年(1999年)
第2節 フックの法則(弾性)
実験5 フックの法則1年(1999年)
実験16 フックの法則1年(2002年)
実験13 フックの法則1年(2012年)
実験12 フックの法則1年(2016年)
実験14 輪ゴムで身近なもの質量を量る1年(2012年)
フックの法則(ゴム)1年(1999年)
第3節 矢印で表わす
実験11 力を矢印で表す(静力学導入)1年(2016年)
力を矢印で表わす1年(1999年)
力を矢印で表わす1年(2002年)
実験12 力を矢印で表す1年(2012年)
実習8 力の合成3年(2018年)
実習9 力の分解3年(2018年)
実験 3つの力のつりあい3年(2018年)
物体に働く2つの力(平行四辺形を作図して合力を求める)3年(2004年)
力に関するまとめ3年(2018年)第4節 重さと質量
重さと質量1年(1999年)
実験15 重さと質量の違い1年(2012年)
実習13 重さと質量のちがい1年(2016年)
理科で使う単位(単位を10の乗数倍する語)3年(2004年)
第2章
ニュートンの
運動法則
導入・単位
長さの単位と接頭語3年(2018年)
実習2 時間とは何か3年(2018年)
実習3 速さについて復習しよう3年(2018年)第1節 自由落下運動
導入 運動とは何か?(記録タイマーの基本操作)3年(2004年)
これまでの復習問題1(速さの単位変換)3年(2004年)
実習4 記録タイマーで速さを測ろう!3年(2018年)
実験1 自由落下運動(速さ)3年(2004年)
実験2 自由落下運動(距離)3年(2004年)
第2節 斜面から平面へと走る台車
実験3 斜面を滑り落ちる台車(等速直線運動)3年(2004年)
実験4 斜面を滑り落ちる台車(テスト)3年(2004年)
実験5 斜面を滑り落ちる台車3年(2018年)
実験5-2 斜面を滑り落ちる台車-23年(2018年)
実験6 自由落下する物体の速さの変化量3年(2018年)
実習7 物体にはたらく重力3年(2018年)
実験11 自由落下運動する物体の距離3年(2018年)
実験12 等速直線運動3年(2018年)
第3節 ニュートンの運動法則
慣性の法則(斜面上の物体に働く力)3年(2004年)
実習13 慣性の法則(だるま落とし)3年(2018年)
実習14 作用反作用の法則(ペットボトルロケット)3年(2018年)
ニュートンの運動の法則3年(2004年)
記録テープの処理方法3年(2004年)
平均の速さと瞬間の速さ3年(2004年)
第3章
エネルギーと
仕事第1節 力学的エネルギー
振り子のエネルギー(力学的エネルギー)3年(2004年)
→ 振り子の法則を発見させるための実践例
実験20 位置エネルギー3年(2018年)
実験21 運動エネルギー3年(2018年)
実習22 力学的エネルギー3年(2018年)
第2節 仕事、仕事率
実習15 仕 事3年(2018年)
実習16 仕事の原理3年(2018年)
実験17 滑 車3年(2018年)
実験18 滑車の技能テスト3年(2018年)
仕事の原理3年(2004年)
→ 物体が斜面を滑り落ちようとする力
実習19 仕事率3年(2018年)第4章
圧 力第1節 圧 力
圧力とは何か1年(1999年)
実験17 鉛筆で調べる圧力1年(2012年)
実験15 鉛筆で調べる圧力1年(2016年)
実習18 単位面積あたりにはたらく力 = 圧力1年(2012年)
第2節 水 圧
実験6 水 力1年(1999年)
実験19 水の圧力1年(2012年)
力と圧力のまとめ1年(2016年)
実験17 水の圧力1年(2016年)
実験20 浮力の大きさ(アルキメデスの原理)1年(2012年)
実験19 浮力の大きさ1年(2016年)
実験21 水圧と浮力の関係を矢印で表す1年(2012年)
実習20 水圧と浮力の関係を矢印で表す1年(2016年)
水圧その21年(1999年)
第3節 大気圧
実験7 大気の圧力1年(1999年)
実験22 大気による圧力1年(2012年)
実験18 大気による圧力(大気圧)(new photo,movie)1年(2016年)
観測3 気圧の測定2年(2003年)
実験23 浮沈子をつくろう(パスカルの原理)1年(2012年)
単元3 電流と磁界、熱第1章
電流
と
電圧第1節 回 路
実験1 回 路2年(2000年)
直列回路と並列回路2年(2003年)
実験2 回路を組もう2年(2003年)
第2節 電流と電圧
基本操作1 電流計2年(2003年)
基本操作 電流計2年(2000年)
実験3 回路に流れる電流2年(2003年)
基本操作2 電圧計2年(2003年)
基本操作 電圧計2年(2000年)
実験4 回路にかかる電圧2年(2003年)
実験2 直列回路と並列回路の電圧2年(2000年)
これまでの復習2年(2003年)
実験5 電流と電圧2年(2003年)
第3節 オームの法則
実験4 電圧と電流の関係(オームの法則)2年(2000年)
電流と電圧の関係2年(2003年)
実験6 オームの法則2年(2003年)
第4節 抵 抗
実験5抵抗を求める2年(2000年)
実験5-2 抵抗を求める22年(2000年)
実験7 抵 抗2年(2003年)
実験8 合成抵抗2年(2003年)
これまでのまとめ2年(2003年)
導入、電子に触れる
72 実験1 ストローの静電気2年(2017年)
73 実験2 誘導コイル、バンデグラフ2年(2017年)電圧
74 実験3 乾電池の電圧を測ろう!2年(2017年)
75 実験4 豆電球1個の回路2年(2017年)
76 実験5 いろいろな回路にかかる電圧2年(2017年)
77 実習6 電圧の理論2年(2017年)電流、キルヒホッフの法則
78 実験7 電流計で電流を測る2年(2017年)
79 実験8 回路を流れる電流2年(2017年)
80 実習9 電圧と電流の関係2年(2017年)
81 実験10 オームの法則2年(2017年)
82 実習11 オームの法則2年(2017年)
83 実験12 電子の気持ちで考える合成抵抗2年(2017年)
84 実習13 3種類の電熱線2年(2017年)
85 実験14 電気で湯を沸かす(ジュールの実験)2年(2017年)
86 実験15 熱エネルギー(熱量、カロリー)の計算2年(2017年)
87 実習16 2つの熱量の関係2年(2017年)電流•磁界•力
88 実験17 磁界(磁石がつくる空間)2年(2017年)
89 実験18 電磁石を作ろう2年(2017年)
90 実験19 コイルがつくる磁界2年(2017年)
91 実験19 直線を流れる電流がつくる磁界2年(2017年)
92 実習20 右手の法則2年(2017年)
93 実験21 左手の法則(電気ブランコの実験)2年(2017年)
94 実習22 左手と右手の法則2年(2017年)
95 実験23 モーターをつくろう2年(2017年)
96 実験23-2 モーターをつくろう22年(2017年)
97 実験24 磁界を動かして電流をつくる2年(2017年)
98 実験25 直流電流と交流電流2年(2017年)
99 問題集2年(2017年)
100 最後のアンケート第2章
電力量
と
熱量
と
エネルギー
第1節 電力量(熱量、ジュール)
実験16電流による発熱2年(2003年)
実験16の続き2年(2003年)
実験6 電流による発熱2年(2000年)
実験6(2) 同 上2年(2000年)
電力と電力量(cal)2年(2000年)
発熱(calとW)について2年(2003年)
第2節 カロリー(熱量)
熱を、もっと直接感じさせたい。やっぱり火だ!炎だ! 電流はあとからだ。
実験1 水を熱する1年(1999年)
実験2 熱の移動1年(1999年)
実験3 比熱の違い1年(1999年)
熱と温度の復習1年(1999年)
実験23 熱量の違う2つ水を混ぜる3年(2018年)
実験24 エネルギー変換3年(2018年)
第3章
電流
と
磁界第1節 電 流
演示実験 クルックス管2年(2000年)
電子と静電気2年(2000年)
実験1 静電気2年(2003年)
実験16 静電気の引力と斥力1年(2012年)
実験14 静電気の引力と斥力、帯電列(new photo)1年(2016年)
第2節 磁 界
実験9 磁石のまわりの磁界2年(2003年)
磁界を立体的に観察する
実験7 磁 界2年(2000年)
第3節 右手の法則
実験10コイルのまわり磁界2年(2003年)
実験8 コイルの磁界2年(2000年)
コイルの磁界22年(2000年)
実験11右手の法則12年(2003年)
実験9直線を流れる電流2年(2000年)
実験12右手の法則22年(2003年)
右手の法則2年(2000年)
第4節 左手の法則
実験13 左手の法則2年(2003年)
これまでの復習2年(2003年)
実験10 磁界から電流が受ける力2年(2000年)
第5節 モーター作り
実験14モーターを作ろう2年(2003年)
モーターを作ろう22年(2003年)
モーターを作ろう2年(2000年)
モーターのしくみ2年(2000年)
第6節 電磁誘導
実験15電磁誘導2年(2003年)
実験11誘導電流2年(2000年)
直流と交流2年(2000年)物理学ノート
1 ニュートン力学 ―ガリレイの相対性理論―